これさえ押さえておけば大丈夫!Web広告運用でよく使われる重要な指標を解説
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広告に関する様々なデータをリアルタイムで計測できるのは、テレビCMや紙媒体の広告にない、Web広告の大きな利点の一つです。このデータを活用できるか否かで、マーケティングの成否は大きく変わります。
一方、広告媒体から取得できるデータ・指標は多岐にわたります。そのため、広告運用に慣れていない初心者の方から「どのデータを見れば良いのか、よく分からない」という声を頂くことが少なくありません。
そこで今回は、当社の広告レポートツール「アドレポ」をご利用されている手練れの広告代理店様がよく使っている指標について解説していきます。
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目次
「目標設定」こそがWeb広告の成否を決める
Web広告の運用にあたり、どのデータや指標に注目すべきかというのは、そもそもの広告運用の目的によって違ってきます。(どう違うのかは後述します)
広告運用の目的は、クライアントによって様々です。
「自社商品の販売促進」「見込み客の獲得」といった売上に直結する成果を掲げるケースが多いですが、その前段階として、自社ブランドの認知度向上、自社サイトのアクセス増、イベント集客などを目標とすることもあります。
いずれにせよ、目的が明確でないまま漠然と広告を始めても、確たる成果は望めません。まず広告主と、「何のためにWeb広告をやるのか」という目的意識を共有するのが、広告代理店の最初の重要な任務です。
こうした目標を明確に数値化したものが「KPI(重要業績評価指標)」です。これはある目標の達成度を評価するための定量的な指標をいいます。
例えば「自社商品の販売促進」という目標があったとして、これだけでは漠然として何をどこまでやれば良いのかがはっきりしません。これに対して「サイトからの購入件数を10%増やす」といった形で数値化したものがKPIです。
KPIを設定すれば、広告運用の進捗状況を客観的に評価できます。そして運用担当者の皆さんは、常にこのKPIを意識しながら広告を運用し続けていくことになります。
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広告レポートでよく使われる指標を徹底解説!
多種多様な指標の意味を正しく知らなければ、目標達成度を適正に評価できるKPIの設定は難しいでしょう。ここでは、広告運用でよく用いられる成果指標を個々に解説していきたいと思います。いずれも、一般的な広告レポートではよく見られるものです。それだけ重要度が高い項目だとご理解ください。
インプレッション数(表示回数/imp数)
ユーザーに何回広告が表示されたかを示す指標です。
「広告がどれだけ見られたか」をシンプルに示すもので、商品・サービスの認知やブランディングを目的とする場合に、特に注目すべき指標となります。
このフェーズでは、アクションを起こすまでは至らなくても、まずはどれだけ多くのユーザーに広告を見てもらえるか、知ってもらえるかが重要なポイントのためです。
インプレッション単価(CPM)
広告の1,000インプレッション(表示回数)当たりの広告費を示す指標です。「広告費÷広告の表示回数×1,000」で計算されます。
CPMは、クリック課金制におけるCPC(クリック単価、後述)と同じく、広告の「費用対効果」を確認するために参照されます。表示回数が多くても、CPMが想定より高く費用対効果が悪い場合は、配信内容などの修正を検討することになります。
なおCPMとは「Cost Per Mille」の略で、「Mille」はラテン語で「1,000」を表す言葉です。
リーチ数
ユーザーが何回広告を見たかを示す指標です。
一見、上述のインプレッション(表示回数)と同じものと思いがちですが、厳密には異なります。例えば、あるユーザーがサイト内の3つのページを閲覧し、そのすべてで同じ広告が表示されたとすると、インプレッションは3、リーチ数は1となります。
認知・ブランディング目的での広告運用で重視されるのもインプレッションと同様ですが、リーチ数のほうが認知度を測る上でより現実的な数値となります。特に潜在層向け広告の評価指標としては欠かせないものです。
クリック数
その名の通り、広告がクリックされた数です。
広告から自社サイトやランディングページにどれくらいアクセスされたかをシンプルに把握でき、広告パフォーマンスを端的に示します。広告レポートには必ず含める重要な指標の一つです。
クリック単価(CPC)
広告の1クリックあたりの広告費を示す指標です。「広告費÷広告のクリック数」で計算されます。なおCPCとは「Cost Per Click」の略です。
上述のインプレッション単価と同様、広告の費用対効果を示しますので、広告主にとっては最も気にかかる項目の一つです。CPCが低い(良い)広告は配信頻度を高め、逆にCPCが高い(悪い)広告は内容の見直しや配信を抑える・停止するなどの意思決定に必要となります。
クリック率(CTR)
表示された広告がクリックされた確率を示す指標です。「クリック数÷インプレッション数×100」で計算されます。CTRとは「Click Through Rate」の略です。
クリック率の悪い広告は、ユーザーがクリックしたいと思わない、つまり「広告の訴求力が弱い」か「ターゲティングに問題がある」ということ。広告クリエイティブや配信ターゲットの見直しが必要と判断できます。
さらにクリック率は、リスティング広告を上位表示させるために重要な「品質スコア」にも影響します。より効率的にサイトに集客するために、非常に重要な指標です。
コンバージョン数(CV)
広告からコンバージョンを獲得した数を示す指標です。
コンバージョン(Conversion)とは、「変換」や「転換」といった意味の英単語で、Webマーケティングにおいては、広告の成果(商品購入や会員登録、資料請求、イベント申し込みなど)のことを指します。
広告を出す最終目標であり、最も大切な指標であるのはもちろんですが、同時に「どういう経路でCVが得られたか」にも注目しましょう。
コンバージョン率(CVR)
広告をクリックしたユーザーが、コンバージョンを獲得した確率を示す指標です。「コンバージョン数÷クリック数×100」で計算されます。CVRとは「Conversion Rate」の略です。
いくらCV数が多くても、CVRが低いとCV獲得までの広告クリック数が増え、結果、広告費負担が大きくなってしまいます。予算内での目標達成のためにはCVRを高く維持する運用が必須。広告の改善はもちろん、CVまでの導線をスムーズにするための施策(ランディングページ改善など)も重要です。
顧客獲得単価(CPA)
1件のコンバージョンを獲得するためにかかった広告費です。「広告費÷コンバージョン数」で計算されます。CPAとは「Cost Per Action」の略です。
CPAが高い(悪い)と、「成果は出ているのに、会社の収支はマイナス」といった状態に陥ります。CPAは目標達成に対するWeb広告の費用対効果を最も端的に示す指標であり、多くのケースで上述のKPIに設定されます。
このCPAをいかに改善していくかが、広告運用者の一番の課題といっても良いでしょう。広告レポートでも必ずといって良いほど含められる重要な指標です。
広告ターゲットが違えば注目すべきデータも異なる
ここまでご説明してきた指標の数々はどれも重要な意味を持つ、運用担当者はぜひ知っておきたいものです。一方で、指標個々の重要度は広告運用のフェーズによって違ってきます。それぞれのフェーズにおいてより重要となるデータ指標や、広告運用のポイントについてご説明します。
商品・サービスの認知(潜在層)
まだ自社の商品・サービスを知らない、あるいは関心のないユーザーに認知してもらう段階です。
このユーザー層には、まず浅くとも幅広く、商品やサービスの存在を知らしめなければなりません。視認性の高いバナー広告や動画広告、目を引くテキスト広告、SNS広告などをできるだけ多く、効率良くWeb上に表示させて目に触れさせる必要があります。
したがって、広告の表示・閲覧回数に関わる指標がより重要となります。
注目すべき主な指標
- インプレッション数
- CPM
- リーチ数
- フリークエンシー(ある広告が一定期間に1人のユーザーに見られた回数)
自社サイト・サービスへの誘導(準顕在層)
商品やサービス、そのカテゴリーの情報に興味・関心を持ってくれたユーザーを、自社サイトに誘導する段階です。
ここでは、より多くの広告クリックを効率良く集めることが重要となります。思わずクリックしたくなるキャッチーな広告の作成、ユーザーニーズにマッチしたキーワード設定、ターゲティング、入札価格などを適切に行うとともに、クリック関連の指標の動向を注視しながら運用を行います。
注目すべき主な指標
- クリック数
- CPC
- CTR
コンバージョンの獲得(顕在層)
すでに商品・サービスに関する情報を得ていて、購入や会員登録等を検討しているユーザーを後押しし、コンバージョンの獲得を目指す段階です。
他社との比較検討をしているユーザーに刺さる、メリットや利点を強調した広告やランディングページが有効です。また、購買意欲の高いユーザーによりアプローチできるよう検索キーワードを絞り込むなどの運用が求められます。
コンバージョン関連の指標に注目し、PDCAを繰り返しながら費用対効果を高めていくことが必要です。
注目すべき主な指標
- CV
- CVR
- CPA
広告レポート自動作成ツールでスマートな広告運用を!
ここまでご説明したように、Web広告のパフォーマンスには様々な指標・データが関わっています。運用担当者は、こうした指標をリアルタイムで俯瞰・把握できているのが大原則。定期的に広告レポートを作成しながら、重要な指標の動向を常に意識してください。
ご存じの通り、広告レポートを手動で作成するのは大変な作業です。定期的に頻繁に、となるとその労力はさらに大きくなります。「本業」である広告運用の検証・改善にリソースを割くためにも、レポート作成はぜひ自動化しましょう!
当社のレポート自動化ツール「アドレポ」は、データ集計から成形・提出まで完全自動化できるのはもちろん、対応媒体は国内最大級の20社以上。カスタマイズ自在のテンプレートやGoogleスプレッドシート出力、独自の「スマート考察」機能など他製品にない様々な特色を備えています。
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※アドレポに限らず、広告レポート自動化ツールの導入は運用者担当者の業務効率化への最短コースです。ツールの選び方についてはこちらの記事を参考になさってください。
まとめ
Web広告運用における各指標の意味や重要性についてご説明しました。
Web広告運用は、日々こうした指標との闘いです。良い方に動けばさらに伸びるように策を講じ、悪い方に動けば原因を見つけて改善をはかっていきます。ハードな業務ですが、ぜひ今回のコラムを参考にしていただければと思います。
今後はアドレポを活用している広告代理店様がよく使われている指標を、Google・Yahoo!など広告媒体別に紹介していきたいと思いますのでご期待ください!
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