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Yahoo!広告スクリプトとは?広告配信やレポート作成の自動化を推進する便利なツールを詳しく解説

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本コラムでもたびたび申し上げていますが、Web広告運用で成果を出すために最も大切なのは、「広告運用とメンテナンスの継続」です。日毎、月毎に変化する広告成果をつぶさに追いながら、広告レポートを確認・分析して配信条件や予算、クリエイティブなどを適切にチューニングし続けていくことで、広告の費用対効果は確実に良くなっていきます。まさに「継続は力なり」なのです。
一方で広告代理店や企業のマーケターの方々におかれましては、限られたリソースで多数の広告アカウントの運用・レポーティングをいかに効率良く行うかに日々苦心されているかと思います。
今回は、広告運用やレポート作成業務の効率化・省力化を進める上で大きな力となるツールの一つ「Yahoo!広告スクリプト」について解説いたします。

Yahoo!広告スクリプトとは

「Yahoo!広告スクリプト」とは、Yahoo!広告が2023年2月から運用者向けに提供している、JavaScriptベースの自動化支援ツールです。Yahoo!広告を利用中であれば誰でも広告管理ツールから無料で利用できます。
※JavaScript:Webブラウザ上で動作するプログラミング言語の一つ

Yahoo!広告スクリプトを利用すれば、通常は手動で行う広告の入稿や配信設定の変更、広告レポートの作成など、Yahoo!広告の運用に欠かせない業務を自動化することができます。
広告管理ツールの画面上で、所定の欄にスクリプトを貼り付けるという簡単な操作で実行可能。またJavaScriptの詳しい知識がない方でも利用できるよう、目的に応じて活用できるサンプルスクリプトが多数用意されています。もちろんサンプルスクリプトを基にして自由にカスタマイズも可能です。

Yahoo!広告とは

「Yahoo!広告」とは、LINEヤフー株式会社が提供しているインターネット広告サービスです。
日本最大級のネットメディアである「Yahoo! JAPAN」や、提携パートナーサイトに広告を掲載できます。利用ユーザーやサービス展開の幅広さを生かしたリーチ力が強みで、「Google広告」や「Meta広告」と並んで日本のWeb広告の主流となっており、業種や市場規模を問わずWebマーケティングを展開する上で欠かせない存在となっています。

Yahoo!広告には、Web検索結果ページに広告を配信する「検索広告」と、所定の広告枠に画像広告や動画広告を配信する「ディスプレイ広告」の2種類があり、Yahoo!広告スクリプトはこのいずれにも利用できます。

Yahoo!広告についてより詳しくお知りになりたい方は、当コラムでも関連記事を掲載しておりますのであわせてご参照ください。

→ Yahoo!広告のレポート作成なら「アドレポ」!広告の仕組みやアップデート情報、レポートサンプルなどをご紹介

Yahoo!広告スクリプトでできること

次に、Yahoo!広告スクリプトを利用すると実際にどんなことができるのかについて具体的にご説明していきます。

広告運用業務の自動化

Web広告を運用するには、広告アカウントの作成に始まり、ターゲットや配信期間・予算の設定、キャンペーンや広告文・画像の作成、キーワード登録など様々な作業が必要です。また広告配信後も、運用状況に応じた配信設定の変更、広告レポートの作成・出力などを継続して行わねばなりません。通常これらのタスクは広告管理画面上で手動で行うため、運用担当者の方にとっては大きな負担になっているかと思います。

Yahoo!広告スクリプトを利用すれば、こうしたWeb広告の配信・運用に欠かせない様々な業務の自動化が可能となります。業務効率化で確保できたリソースを広告運用のPDCAにあてれば一層の効果向上を期待できますし、自動化によって人為的ミスも削減されるでしょう。

Yahoo!広告の公式ヘルプでは、一般的な広告運用で想定される様々な課題とスクリプト利用による代表的な解決方法を紹介しています。課題というのは、例えば次のようなものです。

  • 各アカウントの予算と、予算の消化状況の確認を簡易化したい
  • 広告に日付を自動で反映されるようにしたい
  • 現在手作業で作成している定型レポートを自動で出力したい

これらの解決方法や、他の課題について詳しく知りたい方は以下のヘルプページをご参照ください。

→ 想定課題とソリューション

通知機能(メール・Slack)

Yahoo!広告スクリプトを利用すれば、運用者が設定した様々な条件下でメールやSlack(チャットツール)メッセージの自動送信を行うことができます。

例えば、次のような通知をスクリプトで実行できます。

  • 当日のインプレッション数やクリック数を過去の配信実績平均と比較し、所定の割合以上になった場合にメールまたはSlackで通知する
  • 月内の広告コストが一定金額を超過したキャンペーンの情報をメールまたはSlackで通知する
  • 審査落ちした広告の情報をメールまたはSlackで通知する

いずれも基本的には、設定条件に合致した情報をGoogleスプレッドシートに出力し、その結果をメール・Slackで通知するという流れになります。

広告指標やキャンペーンの状態を定点観測し続けるのは運用担当者の大切な業務でありますが、Web広告は基本的に24時間休みなく配信されており、その時々刻々の変化を追うために広告管理画面の前にずっと張り付いているのは現実的ではありません。
こうした通知機能を活用すれば、運用状況の重要な変化をタイムリーに察知し、的確なメンテナンスを行えます。

Yahoo!の天気データを用いた広告配信

Yahoo!広告スクリプトでは、気象や災害に関する情報を無料で閲覧できるサービス「Yahoo!天気・災害」の天気予報データを取得し、その内容に基づいた広告配信を設定できます。同じYahoo!が提供するサービス同士ならではのデータ連携といえるでしょう。

この機能を利用して、例えば次のような広告運用を行えます。

  • 当日の天気が雨の地域のみに広告を配信する
  • 当日の予報最高気温が指定した気温以上の地域のみに広告を配信する
  • 当日の天候に応じて入札価格や調整や広告内容の変更を行う

天候の良し悪しや気温、降雨量がユーザーの購買行動に影響を与えるケースは珍しくありません。こうしたビジネスでは、Yahoo!広告スクリプトと天気データの活用によってより効率的な広告配信を期待できます。

スクリプトのカスタマイズによる運用

Yahoo!広告の公式ヘルプには「サンプルスクリプト」が公開されています。
これをもとにして、目的に応じてスクリプトのカスタマイズを行うことで、Web広告運用に関する様々なソリューションを実現できます。JavaScriptに関する知見が必要なため上級者向けにはなりますが、Yahoo!広告の機能をフル活用したいという方はぜひチャレンジしてみてください。

Yahoo!広告APIとの比較

Yahoo!広告スクリプトのようにYahoo!広告の運用業務を自動化できるツールとして、「Yahoo!広告API」があります。
Yahoo!広告APIは、Yahoo!広告のシステムと、デベロッパーや広告主が開発するアプリケーションを接続するAPIです。アプリケーションとの連携により、広告運用に関わる様々な業務を自動化・システム化し、運用の効率化や人為的ミスの削減を期待できます。

Yahoo!広告スクリプトも、Yahoo!広告APIも、広告運用の自動化やカスタマイズが行える点は共通していますが、次のような相違点があります。ご参照の上、用途や業務環境に応じて使い分けてください。

Yahoo!広告スクリプト Yahoo!広告API
利用方法 広告管理ツールの専用画面にスクリプトを設置(貼り付け) Yahoo!広告のシステムと、自動化等を行う外部アプリケーションをAPI接続
開発環境 不要 サーバーなどの開発環境が必要
知識の必要性 原則、JavaScriptの知見が必要(サンプルスクリプトなどの参考情報を活用可能) アプリケーション開発やAPI連携の知見が必要
外部ツールとの連携性 一部サービス(Googleドライブ・Googleスプレッドシート・Slack)との接続や広告レポートの自動転送が可能 原則、API接続に対応した任意のアプリケーションと連携が可能

Yahoo!広告スクリプトを用いたレポート出力方法

それでは、実際にYahoo!広告スクリプトをどのように利用するかについてご説明していきたいと思います。
ここでは、比較的シンプルなスクリプト処理である「広告レポートの出力」を例として、設定手順をご説明していきます。なお、これ以外の処理内容であっても、基本的な手順の流れは大きく変わりませんのでご参考になさってください。

※事前に、任意のGoogleアカウントでレポート出力用の空のスプレッドシートを作成しておいてください。

①Yahoo!広告アカウントとGoogleアカウント連携

Yahoo!広告レポート出力を行うには、事前にGoogleスプレッドシートと連携させておく必要があります。

1. Yahoo!広告管理画面の「ツール」から「Yahoo!広告スクリプト」を選択。

2. Yahoo!広告スクリプト管理画面右上の「外部ツール連携」を選択し、「Sign in with Google」をクリック。スプレッドシートを作成したGoogleアカウントを選択し、アクセスできる情報を選択して「続行」。外部ツール連携の画面に戻ってステータスが「連携済み」になっていればOK。

②スクリプト欄にコードを記載

Googleスプレッドシートにレポート情報を出力するためのスクリプトを設定します。
今回は、検索広告のレポート出力を行います。

1. Yahoo!広告スクリプト管理画面左上の「新規作成」をクリック。

2. 任意のスクリプト名を設定し、スクリプト欄に下記コードを記載する。

  • 「スプレッドシートID」には、事前作成したスプレッドシートURLの下記部分の文字列を記載する
    https://docs.google.com/spreadsheets/d/(この部分)/edit#gid=0
  • 「シート名」には、キャプチャ1枚目のシート名を記載する
function main() {
  reportDataToSpreadsheet();
}

function reportDataToSpreadsheet(){
  const spreadsheetId = 'スプレッドシートID';
  const sheetName = 'シート名';
  const ss = SpreadsheetApp.openById(spreadsheetId);
  let sh = ss.getSheetByName(sheetName);
  sh.clear();
  const reportData = AdsUtilities.getSearchReport({
    accountId: AdsUtilities.getCurrentAccountId(),
    fields: [
      'ACCOUNT_NAME','CAMPAIGN_NAME','IMPS','CLICKS','COST','CONVERSIONS'
    ],
    reportDateRangeType: 'THIS_MONTH',
    reportType: 'CAMPAIGN',
    reportSkipColumnHeader : "FALSE",
  }).reports[0].rows;
  sh.getRange('A1').setValues(reportData);
}

3. 「保存」を選択してスクリプトを保存する。

③スクリプトの実行

1. 確認画面が出るので「承認」をクリック。

2. Yahoo!広告スクリプト管理画面に戻ったら「実行」をクリック。実行履歴のページに移動し、処理が行われる。ステータスが「成功」になれば処理は完了。エラーが出た場合はログを確認して修正等を行う。

④実行頻度の設定

1. 管理画面のスクリプト一覧の「実行頻度」をクリック。

2. 任意の実行頻度を選択して「保存」をクリック。

Yahoo!広告と他の広告媒体の運用状況

ここまでYahoo!広告スクリプトの概要や利用方法について解説してきました。現在Yahoo!広告を運用されていて業務効率化が課題となっている方は一度利用されることをお勧めします。JavaScriptを扱うため一見とっつきにくそうですが、実際にやってみると意外に簡単に設定できますので、ぜひお試しくださいね。

始めにも触れた通り、Yahoo!広告は日本国内の膨大なユーザーに対して広告を配信できる圧倒的なリーチ力と、幅広いサービス展開が特徴の優れたWeb広告媒体です。また今回取り上げたYahoo!広告スクリプトだけでなく、Web広告配信を便利にする様々な機能を備えています。

その一方で、実際のWeb広告運用の現場では、Yahoo!広告以外の媒体も併用しているケースがほとんどだと思われます。
以下の図表は、当社のレポート自動化ツール「アドレポ」をご利用いただいているお客様の実績値に基づく、広告媒体ごとの出稿金額(広告費)の集計データです。

最も金額が大きいのはGoogle広告(全体の56.27%)で、次に続くのがMeta広告(23.28%)、次にYahoo!広告(12.83%)となっています。Google広告・Meta広告・Yahoo!広告の3媒体で全体の92.38%もの割合を占めており、ほとんどの広告主様・広告代理店様がこの3つを同時運用していることが分かっています。

アドレポなら複数の広告媒体のレポート作成も簡単!

Webメディアが多様化しユーザーの購買行動も複雑化している昨今において、単一の広告媒体を運用しているだけでは効果的なマーケティングは行えません。これは上記のデータを見るまでもなく、広告代理店の皆様もよくご存じかと思います。

そして複数の広告媒体を同時並行で運用するのには、相応のスキルとマンパワーが求められます。媒体数が増えるほど業務量も比例して多くなり、これを解消するには、今回ご紹介したYahoo!広告スクリプトのような自動化ツールの活用やリソースの確保、業務フローの改善などが必要です。中でも特に作業負担が大きいのは、各広告媒体の運用成果の集計・レポーティングでしょう。

そこでおすすめしたいのが、私たちがご提供しているレポート自動化ツール「アドレポ」です。「アドレポ」は、Yahoo!広告をはじめとする20以上の広告媒体と、簡単な設定で連携できます。複数の広告媒体の運用データを自動で取得し、集計・レポート作成が簡単に行えるため、日々の広告運用業務を劇的に効率化します。
アドレポについてご関心のある方は、無料の資料をご用意しておりますのでぜひダウンロードしてください。

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