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耳から訴求するデジタル広告!今トレンドの「YouTubeオーディオ広告」とは?運用のメリットや設定方法を解説

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インターネット広告にはリスティング広告やディスプレイ広告など様々な形態がありますが、中でも近年シェアを大きく伸ばしているのが「動画広告」です。サイバーエージェント等の調査によると、2023年の日本国内の動画広告市場は昨年対比112%の6,253億円。2027年には1兆円を超えると予測されています。特にYouTubeの国内月間アクティブユーザーは7,000万人を超えており、この視聴者層に広告配信できるのは企業にとって大きな魅力でしょう。
一方で最近は、YouTube動画を見るのではなく、音楽やナレーションを「聴いて」楽しんでいる利用者も増えています。こうした、動画広告では直接アプローチできないYouTubeユーザーに対して有効なのが「オーディオ広告」と呼ばれるもので、これも今注目されている広告形態の一つです。
今回はYouTubeのオーディオ広告について、広告代理店にとっての運用メリットや導入方法を解説していきます。

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オーディオ広告とは?

オーディオ広告とは、インターネットを通じて配信される「デジタル音声広告」の総称です。Web上で音声を配信するメディア、具体的には「Spotify」「YouTube Music」などの音楽ストリーミング配信、「radiko」などのインターネットラジオ、ポッドキャストなどで展開される各種コンテンツと合わせてオーディオ広告は配信されます。

「音声でつくられた広告」と聞いてまず思い浮かぶのは、AM・FMラジオ放送の広告でしょう。オーディオ広告もラジオCMも、音声で構成されているという点は同じですが、ラジオ広告は一つの番組において全てのリスナーに同一の広告が配信されるのに対して、オーディオ広告は他のWeb広告(リスティング広告など)と同様、様々な属性に応じたターゲティングが可能なため、ユーザーにマッチした広告配信ができるのが特徴です。

オーディオ広告の市場規模

日本国内ではまだなじみが薄いと思われがちなオーディオ広告ですが、海外では既に普及し始めています。
米IABの調査によると、2023年度のデジタル音声広告の媒体収入は約70億ドル(前年比約18%増)、2016年以降毎年2桁成長を続けており、アメリカにおけるオーディオ広告の市場拡大がデータにも顕著に表れていることが分かります。
また日本国内でも広告市場は着実に成長しており、その傾向の一端として、Spotifyでは2023年の広告収入は4年前(2019年)の2.5倍に増加したというデータもあります。

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オーディオ広告が注目されている背景

昨今オーディオ広告が注目されている背景には、その配信先となる各種音声メディアの利用者が急速に拡大しているという点があります。

現在は上述した「radiko」や「Spotify」をはじめ多種多様な配信プラットフォームが存在し、幅広い年代のユーザーを対象とした、豊富なジャンル・内容の音声コンテンツが日々インターネット上に提供されています。特にコロナ禍を機に在宅時間が増えたことで、人々が生活や仕事の中で今まで以上に音楽・音声メディアに触れるシーンが多くなったという分析もあります。「自分も当てはまる」と思われた方は少なくないのではないでしょうか。
さらにスマートフォンの多機能化や「AirPods」に代表されるワイヤレスイヤホンの普及といったデバイス面の進化も、音声メディア普及を後押しする要因の一つです。

プラットフォーム・コンテンツ・デバイスの充実により、私たちには時間や場所を選ばず気軽に音声コンテンツを聴取できる環境が整っています。音声は動画や本などと違い、通勤・通学中、仕事や家事、勉強、運動をしながらでも聴けますし、ちょっとした「すきま時間」にコンテンツを楽しむこともできます。こうした聴取の仕方を「耳の可処分時間(自由に使える時間)を増やす」という人もいます。
Z世代を中心に、時間を効率的に活用しようとする「タイパ(タイムパフォーマンス)」への意識が高い人たちにとって、「耳を暇にしない」音声メディアは自らの生活満足度を高めるためにピッタリの情報媒体なのです。

音声メディアの利用者拡大は、その音声メディアに最適化された形で配信されるオーディオ広告への需要拡大と直結します。実際、電通が毎年発表している「日本の広告費」によると、「マスコミ四媒体由来のデジタル広告費」の中でラジオデジタル広告費は前年比127.3%(28億円)と規模こそ小さいものの成長の一途にあり、今後の成長が見込まれています。

YouTubeのオーディオ広告

前章まではオーディオ広告全般についての概説でしたが、ここからはYouTubeで配信できるオーディオ広告「YouTubeオーディオ広告」についてご説明していきます。

そもそもの話として、「YouTubeに音声広告とはどういうこと?」と思われた方がいるかもしれません。ご存じの通りYouTubeは動画共有プラットフォームだというのが一般的な認識ですからね。
一方で、動画に収録された音声のみを聴いて楽しむコンテンツもYouTubeにはたくさんあります。例えば「作業用BGM」といった動画やラジオ番組の収録動画などです。こうしたコンテンツを聴いているユーザーに対して、音声に最適化した動画広告を配信するのが「YouTubeオーディオ広告」です。

Google公式からは、YouTubeオーディオ広告について次のように説明されています。

YouTube オーディオ広告では、YouTube で音楽やポッドキャスト、またはその他のオーディオ コンテンツを聴取しているオーディエンスを獲得できます。YouTube オーディオ広告を使うと、リーチを拡大し、ターゲット オーディエンスのブランド認知度を高めることができます。

引用:YouTube オーディオ広告を作成する

ちなみに「YouTubeオーディオ広告」という名前ではありますが、その形態は音声データのみというわけではありません。広告の配信中は、静止画または静止画ベースの動画がYouTube上に表示されます。

YouTubeオーディオ広告の配信先

YouTubeオーディオ広告は、動画配信サービス「YouTube」と、YouTubeが提供する音楽配信サービス「YouTube Music」の広告枠に配信されます。PC・モバイル・タブレットいずれのデバイスにも配信可能です。

配信先のターゲティングが可能

Web広告は、ターゲットユーザーの属性や嗜好、行動履歴などに合わせて最適な広告を配信(ターゲティング)できるのが利点の一つです。そしてYouTubeオーディオ広告でも広告配信のターゲティングが可能です。
ユーザー属性や興味・関心、所在エリア、積極的に調べている情報などに基づいて、マッチした内容の音声広告を表示できます。
また特定のキーワードやトピック、プレースメントの一致するコンテンツに広告を掲載したり、対象デバイス(PC・モバイル・タブレット・テレビ)を限定したりすることも可能です。

他の音声メディアへの広告配信も

最初の章でも触れましたが、現在はYouTube以外にも「Spotify」「radiko」など様々な音声メディアがあります。YouTubeオーディオ広告とDSP(Web広告の費用対効果の最大化を目的としたプラットフォーム)を活用することで、他の音声メディアへの広告配信も可能となり、各メディアのユーザーに効果的にアプローチできます。

YouTubeオーディオ広告を配信するメリット

YouTubeオーディオ広告は上述の通りYouTubeの広告枠に配信するものですが、YouTubeには動画広告がありますし、他にもリスティング広告やディスプレイ広告など様々な広告形態があります。ここでは、YouTubeオーディオ広告が優れている点、音声広告を選ぶメリットについてご説明します。

動画広告よりも記憶に残りやすい

音声広告は、動画広告に比べて広告内容がユーザーの記憶に残りやすいといわれています。
radikoの発表によると、「音声が記憶にもたらす影響」に関する実証実験を行った結果、音声広告は映像広告よりも次の3つの優位性があることが確認できたとしています。

  1. 音声広告は映像広告よりも「自分に向けられた情報」「自分に合った情報」として情報を受け取る「自分ごと化」に関連する記憶領域の脳活動が高まる。
  2. 音声広告は映像広告よりも交感神経優位となり、より情報に注意が向いている状態になる。
  3. 音声広告は映像広告よりも「商品・サービス名」「広告のストーリー・内容」の記憶率や記憶維持率が高くなる。

引用:音声広告は映像広告と比べて記憶の維持率が高い!radiko、その理由を脳科学的実証実験で解明

音声広告は「耳」のみで、動画広告は「目」と「耳」の両方で広告を受け取りますので、一見、動画広告のほうが訴求力が高いようにも思えますよね。でも音声広告のほうが、ユーザーが「自分ごと」として情報を認識しやすいというのは興味深い研究結果です。

認知拡大・ブランディングに高い効果

アメリカの調査会社ニールセンが2017年に公開した「Nielsen Media Lab」によると、Spotifyのオーディオアドは一般のディスプレイ広告に比べて「ブランド想起が24%アップ」「関心・購買意欲が2倍」「広告理解が28%アップ」などの広告効果があったということです。
参考:https://digiday.com/wp-content/uploads/sites/3/2017/02/ThePowerOfAudio_collated_v3.pdf

オーディオ広告が商品・サービスの認知拡大やブランディングに効果的なのには様々な理由が考えられます。上述の「記録に残りやすい」という点もその一つです。また実際に音声広告を聴かれたことのある方はご存じと思いますが、音声広告にはYouTube動画広告のような「スキップ機能」がありません。そのため、動画広告よりも広告内容を最後まで聴いてもらえる可能性が高く、商品名やサービスの説明などをしっかりと伝えきりたい場合に音声広告が向いているといえます。

動画広告よりも簡単に始められる

広告運用者にとって、動画広告を運用する上で最もハードルが高いのが「広告動画の制作」です。視聴者に訴求する魅力的な動画広告を作るためには、ストーリー構成に始まり、演者のキャスティング、ロケハン、CG制作、ビデオ撮影、音声やナレーションの収録、編集作業など様々な作業が必要になります。求める動画のクオリティ次第とはいえ、その労力は大変なものです。
一方、YouTubeオーディオ広告は音声・ナレーションがコンテンツの要であり、ビジュアルは静止画または簡単なアニメで問題ありません。多くの場合、クリエイティブ制作にかかる工数や費用は動画広告より抑えられます。広告配信の設定も難しくありませんので動画広告よりも簡単に始められるでしょう。まだ試したことがない方はぜひチャレンジしてみてください。

YouTubeオーディオ広告のクリエイティブ

YouTubeオーディオ広告を配信するためには、広告としてアップロードするYouTube動画を作成する必要があります。どのような動画でも広告配信に使えるわけではなく、また広告効果を期待できる動画を作るためには押さえておきたいポイントがあります。

仕様

YouTubeオーディオ広告で使用できる動画の仕様についてはGoogle広告の公式ヘルプに詳しく紹介されています。

広告の長さ 最長15秒(ベータ版プログラムの参加者は30秒のクリエイティブを使用できます)
ファイルサイズ 最大128GB
解像度 426 x 240(240p)
640 x 360(360p)
854 x 480(480p)
1280 x 720(720p)
1920 x 1080(1080p)
2560 x 1440(1440p)
3840 x 2160(2160p)
アスペクト比 16:9(4:3の場合、画像やアニメーションの左右両端に黒い帯が追加されます)

参考:YouTube オーディオ広告を作成する

また先述した通り、YouTubeオーディオ広告は音声(ナレーションや音楽)で聴取者に訴求するため、重要なのは音声要素であり、広告に設定するYouTube動画は静止画または簡単なアニメーションで構成します。

Google広告公式ヘルプに、YouTubeオーディオ広告のサンプルイメージが公開されていますのでご参照ください。

静止画

動画

制作のポイント

ターゲットを明確に意識する

すでに述べた通り、YouTubeオーディオ広告は配信ターゲットを細かく設定できます。これはラジオ広告との大きな違いです。商品やサービスをどんなユーザーに宣伝したいかを明確にイメージし、目の前で語りかけるつもりで音声広告を作ると良いでしょう。
特にオーディオ広告は動画広告よりも「ながら聴き」のシチュエーションで聴取されるケースが多いため、ユーザーが「自分のこと」として広告を聴いてくれるための工夫がより大切になります。

ナレーションの聴きやすさに配慮する

動画広告では、ナレーションを補足するキャプション(字幕)を用いることで視聴者にキャッチコピーや商品・サービスの説明を明確に伝えられます。一方、キャプションのないオーディオ広告でこうした文字情報を伝えられるのは音声のみです。
自然なスピードではっきりと聴き取れるナレーションであることはもちろん、必要以上に多くの単語を詰め込みすぎず、口調や声質は聞き手に違和感を与えず親しみやすいものにするなどの配慮も大切です。

シンプルに、かつ心に響く一言を

広告を制作する側としては、限られた尺になるべく多くの情報を盛り込んで商品・サービスを訴求したいと考えがちです。しかしオーディオ広告はクリエイティブに映像や画像を使えません。少ない表現手法で無為に情報のボリュームを増やしても受け手のユーザーが消化しきれず、かえって訴求力を減退させることになります。伝えたい要素を整理し、内容やストーリーはなるべくシンプルにしましょう。さらにその中で、聴き手の心に残るセンテンスや演出を盛り込みアテンションを獲得できれば理想です。

YouTubeオーディオ広告の設定方法

Google広告で、YouTubeオーディオ広告を配信するための設定方法を具体的にご説明していきます。(文中のスクリーンショットは2024年7月時点のものです)

①Google広告の管理画面にログインし、画面左メニューの「キャンペーン」アイコンをクリックします。続けて、メニューの「キャンペーン」をクリックし、プルダウンメニューから「キャンペーン」を選択します。

②「+」ボタンをクリックして「新しいキャンペーンを作成」を選択します。
キャンペーン目標の一覧が表示されますので、「ブランド認知度とリーチ」を選択します。

③続けてキャンペーンタイプ「動画」、キャンペーンのサブタイプ「オーディオ」を選択して「続行」をクリックします。

④画面表示に従って、キャンペーンの詳細(入札戦略・予算・地域など)を設定します。

⑤画面表示に従って、広告グループの詳細(ターゲット・広告を表示するコンテンツなど)を設定します。

⑥配信するオーディオ広告を作成します。
管理画面のエディタを使って作成することもできますし、既存のYouTube動画を利用することもできます。またこの手順をスキップして、キャンペーン登録後に動画を作成することも可能です。

⑦目標インプレッション単価(必須)を設定して「キャンペーンの作成」をクリックすれば完了です。

アドレポはYouTubeオーディオ広告のレポート作成にも対応

今回はYouTubeオーディオ広告についてご説明してきました。音声をベースにした魅力的なコンテンツが世にあふれ、オーディオ機器の進化も目覚ましい昨今、音声広告の需要はますます高まっていくでしょう。もちろんYouTubeオーディオ広告もその一つです。
本稿ではYouTubeオーディオ広告の概要から設定方法までを詳説しましたが、広告配信後は、リスティング広告や動画広告と同様、広告運用データの計測や分析が可能です。YouTubeオーディオ広告は、管理画面上では通常の広告キャンペーンと同様に扱われますので運用担当者の皆様にとってはそれほど難しくないと思います。様々なクリエイティブを試行錯誤しながらパフォーマンスを高め、より多くのユーザーに訴求しましょう。

そして広告運用データの継続的な集計・分析に欠かせないのが「広告レポートの作成」です。オーディオ広告を含むYouTube広告の効果測定・レポーティングには当社のレポートツール「アドレポ」をぜひご活用ください。簡単な設定でYouTube広告の運用データを自動的に取得し、任意の期間を対象とした広告レポートを作成。テンプレートのカスタマイズ性も非常に高く、GoogleスプレッドシートやBigQueryへの出力も可能です。詳しくは無料の資料をダウンロードしてご覧ください。

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