今さら聞けない「CV(コンバージョン)」の意味とは?SNS広告のコンバージョンイベントについても詳しく解説
この記事をシェアする
私たちが開発・販売しているレポートツール「アドレポ」は、Web広告の運用業務を効率化するためのツールです。企業がWeb広告運用を行う目的は、広告を通じての商品・サービスの認知度向上や集客、売上アップなど様々ですが、いずれの目的においても、その達成度をはかる上で最も重要な指標の一つが「CV(コンバージョン)」です。
言葉自体はWeb広告運用に詳しくない方でもなじみがあるかもしれませんが、一口にコンバージョンといっても、計測方法や媒体が異なる様々な種類があります。今回はWebマーケティングにおけるCV(コンバージョン)の意味や種類を解説するとともに、近年利用者が増加しているSNS広告のコンバージョンにあたる「イベント」についても詳しく取り上げたいと思います。
今すぐ使える無料レポートテンプレート
ご入力いただいた方は「個人情報の取り扱いについて」に同意したものとみなします
目次
CV(コンバージョン)とは?
まずは改めて、CV(コンバージョン)の語義について確認したいと思います。
「コンバージョン(Conversion)」という英単語には、「転換」「変換」「変化」といった意味がありますが、Webマーケティングの世界では「(Webサイトやアプリで獲得できる)最終的な成果」といった意味で使われます。
ここでいう「成果」の内容は、広告主が何を目的にWeb広告を出すのかによって違ってきますが、一般的には商品購入や会員登録、資料請求、お問い合わせなど、広告主のビジネスに貢献するアクションがコンバージョンとして設定されます。
Web広告を含む様々なマーケティング施策を通じて、ユーザーがインターネット上で上記のような行動を起こした時、施策は成果に「転換」したことになります。そこから、Web広告を通じて得られたアクション(成果)を「コンバージョン」というようになったのです。
特にWeb広告において、コンバージョンは広告運用のゴールとなる重要な指標の一つです。広告はただクリックされるだけでは広告費を消耗するばかり。広告クリックからランディングページへユーザーを導き、CVをいかにして効率的に獲得できるかが広告効果をはかる目安となります。
「アドレポ」のレポートテンプレートは、無料でダウンロードしてご利用いただけます
⇒Excelファイルでダウンロードする
コンバージョンの種類
一口にコンバージョンといっても、広告媒体や計測方法によって意味するところは違ってきます。
ここではWeb広告運用で用いられる代表的な6つのコンバージョンを取り上げますが、意味内容をより理解しやすいよう、相対する2つのコンバージョンを一緒にご説明しています。それぞれの意味を正しく理解した上で目的に応じて使い分けてください。
総コンバージョン/ユニークコンバージョン
「総コンバージョン」とは、発生した全てのコンバージョンを集計した件数です。ここでいう「全て」とは、同じユーザーが何度もコンバージョンに至った場合、その全件数をカウントします。
これに対して「ユニークコンバージョン」は、コンバージョンに至ったユーザー数を集計した件数です。同じユーザーが複数回コンバージョンに至った場合でも、ユニークコンバージョンは1件としてカウントされます。
つまり総コンバージョンはアクション単位で、ユニークコンバージョンはユーザー単位で、コンバージョンを計測しているということです。言い換えれば、前者は「顧客獲得」、後者は「売上向上」に対する評価指標になるといえます。
直接コンバージョン/間接コンバージョン
「直接コンバージョン」とは、Webサイトに訪れたユーザーが、その後サイトから離脱することなくコンバージョンに至った件数です。ユーザーがコンバージョンに至る直前の接点(広告クリックなど)に対して計測されるため、「ラストクリックコンバージョン」とも呼ばれます。
「間接コンバージョン」とは、Webサイトに訪れたユーザーが、コンバージョンに至る前にサイトから離脱し、その後再びサイトを訪れてコンバージョンに至った件数です。ラストクリックを除く、ユーザーがコンバージョンに至る道中の全ての接点に対して計測されるので「アシストコンバージョン」とも呼ばれます。
ユーザーがネット上で最初に出会った情報だけをもとに最終的なアクションを起こすことは珍しく、他のサイトやメルマガ、アプリなどを介して様々な情報収集や比較検討を行うのが当たり前となっています。広告や各媒体のマーケティングへの貢献度を、直接コンバージョンのみで評価するのは正確とはいえません。そこで間接コンバージョンでの評価が必要となるのです。
クリックスルーコンバージョン/ビュースルーコンバージョン
「クリックスルーコンバージョン」とは、Web広告を見たユーザーがその広告をクリックしてWebサイトを訪れ、その後コンバージョンに至った件数です。クリックからコンバージョンまでの経路は問いません。また同じユーザーが複数回コンバージョンに至っても、広告クリック数が1回であれば、クリックスルーコンバージョンも1件として計測されます。
「ビュースルーコンバージョン」とは、Web広告を見たユーザーが広告クリックはせず、その後、別のルート(自然検索など)を経由してコンバージョンに至った件数です。
Web広告は、クリックされなければ意味がないというわけではありません。ディスプレイ広告で印象的なビジュアルやキャッチコピーを見たユーザーが興味関心を持ち、後日自ら広告の商品やサービスをWeb検索してサイトから購入、というケースは日常的に起きています。こうした間接的なマーケティング効果を計測できるのがビュースルーコンバージョンだといえます。
Twitter広告のコンバージョンと計測方法
Web広告を配信できる媒体は様々ですが、近年特にシェアを伸ばしているのがSNS広告です。ここでは日本国内での利用が特に多い、「Twitter」「Facebook」という2つのSNS広告について、どのようなコンバージョンがあるのかを詳しくご説明していきます。
まずはTwitter広告についてです。Twitterといえば、ご存じの通り「ツイート」と呼ばれる短い文章や画像を投稿できるSNSですが、Twitterを日常的に利用されている方なら、タイムラインに他の多数のツイートに交じって流れる「プロモーション」と書かれた広告ツイートを、毎日のようにご覧になっているでしょう。
このTwitter広告からWebサイトを訪れたユーザーのアクションを追跡し、コンバージョンを計測して広告の費用対効果を評価することができます。
またTwitter広告のコンバージョンを計測する方法には、「Twitterピクセル」をサイトに設置する方法と、「コンバージョンAPI」を利用する方法の2つがあります。
Twitterピクセル
「Twitterピクセル」と呼ばれるタグをWebサイトのページ内に設置することで、広告から流入したユーザーのアクションやコンバージョンを追跡できます。
Twitterピクセルは、後述のコンバージョンAPIに比べて設定方法が非常に分かりやすいため初心者でも扱いやすく、ほとんどの広告運用ではTwitterピクセルを使えば問題ありません。
なお現仕様のTwitterピクセルは、以前の「ユニバーサルウェブタグ」「単一イベントタグ」を統合したものです。
コンバージョンAPI
「コンバージョンAPI(CAPI)」とは、広告主のサーバーとTwitterのAPIを直接接続することでコンバージョンデータをTwitterと共有し、サードパーティークッキー(3rd Party Cookie)を介さずにコンバージョンの計測を可能とする機能です。
より精度の高いデータ計測ができ、またオフラインのコンバージョンイベントも追跡できるなどのメリットがありますが、設定にはAPIに関する専門知識が必要です。また何らかの理由でTwitterピクセルを実装できないケースもコンバージョンAPIが有効です。
Twitter広告のコンバージョンイベントとは
Twitter広告では、「コンバージョンイベント」という設定項目があります。これは、一般的にコンバージョンとして設定されることの多いアクションがプリセットされているもので、広告主はビジネスの目的達成に重要なアクションをコンバージョンイベントとして選択すれば、そのアクションを追跡できるようになっています。Web広告を扱い慣れていない方でも直感的に設定でき分かりやすいかと思います。
コンバージョンイベントは、以前は「サイト訪問・購入・ダウンロード・新規登録・その他」の5種類を選択できましたが、仕様変更で新しいイベントタイプが追加されました。2023年6月現在、Twitter広告で設定できるコンバージョンイベントは次の通りです。この中から、広告主の目的に合ったイベントタイプを選択します。
- ページビュー(旧名称「サイト訪問」)
- 購入
- ダウンロード
- その他
- リード(旧名称「新規登録」)
- カートに追加
- チェックアウト開始
- コンテンツ表示
- 支払い情報追加
- 検索
- 購読する
- 試用を開始
- ウィッシュリストに追加
- 商品のカスタマイズ
イベントパラメータについて
Twitter広告では、設定したコンバージョンアクションに対して、商品名や価格などコンバージョンに関する重要な詳細情報を「イベントパラメータ」として設定できます。
こちらも仕様変更を経て様々なパラメータを設定できるようになっています。例えば次のような項目です。
- value(イベントの合計値)
- currency(通貨)
- twclid(クリックID)
- search_string(検索されたテキスト)
- status(新規登録または購読のステータス)
コンバージョンイベントの設定方法
Twitter広告でコンバージョンを計測するための手順を大まかにご説明します。
- Twitterピクセルの生成
Twitter広告マネージャーの「イベントマネージャー」画面からTwitterピクセルを設定して保存します。 - 追跡するイベントを作成する
Webサイトでアクションを追跡したいイベントを作成します。上述のイベントタイプをはじめ、イベント名やアトリビューション期間などを設定できます。
イベントの定義には、イベントコードをサンクスページなどに実装する方法と、URLルール(サンクスページなどのURLを定義する)を使う方法の2つがあります。 - ベースコードの設定
イベントマネージャーの「ベースコードを表示」からTwitterピクセルコードを取得し、ベースコードを所定の方法でWebサイトに実装します。 - イベントコードの設定
イベントマネージャーの「イベントのインストール」からイベントコードを取得し、Webサイトの特定の要素(サンクスページやダウンロードボタンなど)にコードを追加します。
Facebook広告のコンバージョン
世界中で多くのユーザーに利用されているFacebookのフィードやストーリーズに出稿できるSNS広告がFacebook広告です。このFacebook広告も他のWeb広告と同様、商品購入やカートに追加など特定のアクションが行われた件数をコンバージョンとして計測できます。
Facebook広告でコンバージョンを計測するには、Twitter広告と同様、「Metaピクセル(旧:Facebookピクセル)」と呼ばれるタグをWebサイトの全ページに設置することが必要です。
Facebook広告でコンバージョンを計測できるイベント
Facebook広告でコンバージョンを計測できるイベントは、「標準イベント」「カスタムイベント」「オフラインイベント」の3つがあります。このうちオフラインイベントは他のイベントよりも計測に手間がかかり、専門知識が必要であることから、通常の広告運用では「標準イベント」または「カスタムイベント」の設定・計測が行われるケースがほとんどです。
標準イベント
標準イベントとは、Facebook広告にプリセットされている、一般的なアクティビティに対応するイベントです。Web広告運用でコンバージョンとして追跡されることの多い項目が網羅されているため、基本的にはこの標準イベントを理解できればFacebook広告のコンバージョン計測は行えるでしょう。
全ての標準イベントには計測用のコードが用意されており、これを当該イベントが発生するページのMetaピクセルベースコードに追加すれば、計測が可能となります。
Meta公式ヘルプには、個々のイベントが対応するアクティビティの内容と、ベースコードに追加するイベントコードが記載されています。
2023年6月現在利用できる、Facebook広告の標準イベントは次の通りです。
標準イベント | 概要 | イベント例 |
---|---|---|
支払い情報の追加 | チェックアウト手続き中に顧客の支払い情報を追加する | 請求情報の保存ボタンをクリックする |
カートに追加 | ショッピングカートやバスケットにアイテムを追加する | 「カートに追加」などのボタンをクリックする |
ウィッシュリストに追加 | ウィッシュリストにアイテムを追加する | 「ウィッシュリストに追加」などのボタンをクリックする |
登録完了 | サービスの提供と引き換えに、顧客が情報を提出する | メールマガジンの購読を申し込む |
問い合わせ | 顧客とビジネスがメール、チャットなどで連絡を取り合う | |
製品のカスタマイズ | 設定ツールやアプリケーションを使用して製品をカスタマイズする | |
寄付 | 団体や慈善活動に寄付する | |
場所の検索 | ウェブやアプリで店舗を見つける | ある商品を検索して実際の店舗で見つける |
チェックアウト開始 | チェックアウト手続きを開始する | 「チェックアウト」などのボタンをクリックする |
リード | 後日連絡が来る可能性があることを理解して、顧客が情報を提出する | 資料を請求する、お試しプランに加入する |
購入 | 購入を完了する | 購入後のサンクスページを表示する |
日時を指定 | 店舗の訪問日時を予約する | |
検索 | ウェブサイトやアプリなどで商品やサービスの検索を実行する | |
トライアル開始 | 商品やサービスの無料トライアルを開始する | サブスクリプションの無料体験に申し込む |
応募 | サービスやプログラムなどに応募する | |
サブスクリプション登録 | 商品やサービスの有料サブスクリプションを開始する | |
コンテンツビュー | 商品ページやLPなど、関心のあるウェブページを訪問する |
こちらもTwitter広告と同様、設定した標準イベントに対して詳細情報(商品IDや購入数など)を「パラメータ」として設定できます。
カスタムイベント
カスタムイベントとは、広告主が独自に設定するイベントです。上記の標準イベントではカバーできないユーザーアクションを計測する時に利用し、実行されるアクションを表す独自のイベント名を設定できます。
なおカスタムイベントでコンバージョンの計測を行うためには、カスタムイベントを「カスタムコンバージョン」と定義する必要があります。
カスタムコンバージョンは、標準イベントのようにWebサイト内のピクセルにコードを追加する必要がなく、コードの編集知識がなくても導入できるのが利点です。
オフラインイベント
Facebook広告では、「オフラインコンバージョン」を設定することで、実店舗での購入や電話での注文・予約といった、実世界でのユーザー行動(オフラインイベント)に対する広告の効果を計測できます。
具体的には、イベントマネージャーに「オフラインイベントセット」を作成した後、オフラインコンバージョンデータを手動やAPI連携などの方法でアップロードする手順が必要です。データのアップロードが完了すると、広告を閲覧・クリックしたユーザーによるオフラインコンバージョンの数を確認できます。
Facebook広告のコンバージョンイベントの計測方法
Facebook広告で、標準イベントやカスタムイベントを計測するための手順を大まかにご説明します。
標準イベント
- ピクセルコードの発行
「イベントマネージャー」ページで、「データソースのリンク」から「ウェブ」を選択し、ピクセルの追加を行います。設定を進めていくと、ウェブサイトにピクセルコードをインストールする画面になりますので、手動でコードを追加するよう選択し、発行されたコードをサイトのヘッダーに設置します。 - イベントコードの発行
ピクセルコードの取得に続いて、イベントの設定画面が表示されるので、「イベントコードを手動で追加」を選択してピクセルコード内の所定位置に上述の標準イベントコードを記述します。
この時、同じイベントを複数設定することはできませんのでご注意ください。
カスタムイベント
- ピクセルコードの発行
上述の「標準イベント」と同様に、ピクセルコードを発行します。 - カスタムコンバージョンの作成
イベントマネージャーのメニューから「カスタムコンバージョンを作成」を選択します。名前やデータソース(①で発行したピクセル)、コンバージョンを適用するURLの条件などを設定します。
作成したカスタムコンバージョンを計測するためには、広告作成時にコンバージョンイベントとして設定する必要があります。
コンバージョン計測に「アドレポ」が力を発揮する
冒頭でも触れたように、コンバージョンはWeb広告運用の達成度をはかる上で非常に重要な指標であるのは事実です。しかし広告運用は、CVだけを見ていれば良いわけではありません。
インプレッション数、クリック率やクリック単価、流入キーワードなど、広告パフォーマンスに関わる様々な指標の変化を見ながら、予算やクリエイティブ、ターゲティングのPDCAを繰り返して広告効果を高めていく必要があります。
そうした運用成果の多角的な分析に欠かせないのが、コンバージョンを含む重要な広告データをアウトプット・整理した「広告レポート」です。広告レポートによって、管理者は運用現状を正確に俯瞰し、各指標の相関性を評価しながら「より少ない広告費用で、より多くのコンバージョンを獲得する」ための分析・改善を行えます。
手間のかかる広告レポート作成には、レポート自動化ツール「アドレポ」をご活用ください。
アドレポは高機能レポートツールとして多くの広告代理店様・企業様から高い評価を頂き、累計アカウント1000件を突破しておりますが、その理由の一つに「対応媒体の豊富さ」があります。最大手のGoogle広告・Yahoo!広告をはじめ20社以上の媒体へのAPI接続に対応しており、これは国内最大級の対応数です。
もちろんFacebook広告・Twitter広告にも対応しており、今回ご説明した「標準イベント」や「カスタムコンバージョン」などの計測も可能です。運用方針やクライアントの要望に応じて出力項目を細かくカスタマイズし、必要なデータを分かりやすくまとめたレポートが作成できます。
皆様の運用パフォーマンス向上と業務効率化のために、ぜひアドレポをお役立ていただければと思います。
※アドレポに限らず、広告レポート自動化ツールの導入は運用者担当者の業務効率化への最短コースです。ツールの選び方についてはこちらの記事を参考になさってください。
アドレポで計測できるイベント(2023年6月現在)
- ウェブサイトの登録完了
- ウェブサイトリード
- ウェブサイト購入
- 登録完了
- カートへの追加
- チェックアウトの開始
- コンテンツビュー
- モバイルアプリの登録完了
- ウェブサイトの支払い情報の追加
- モバイルアプリの支払い情報の追加
- リード
- リーチ
- ページビュー(旧名称「サイト訪問」)
- 購入
- ダウンロード
- リード(旧名称「新規登録」)
- その他(カスタムコンバージョン)
まとめ
今回はWeb広告のCV(コンバージョン)をテーマに取り上げました。専門用語も多々登場し、難しく感じられた方も多いかと思いますが、CVやコンバージョンイベントがどんなものかを知っていただく参考になれば幸いです。
また、実際に広告媒体でコンバージョン設定を行うのも結構難しく、広告運用に慣れていないと途中で挫折してしまうかもしれません。しかし冒頭でも申し上げたように、CVは広告運用において欠かせない非常に重要な指標ですので、公式ヘルプやウェブ上の情報を参考にしながら、確実にコンバージョンを計測できるようがんばってください。
CVの設定・計測により、実効性の高い運用分析・改善が可能になるでしょう。
この記事をシェアする