Logicad(ロジカド)とは?特徴や強み、広告の種類や配信方法などを詳しく解説!
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様々なWeb媒体が存在し、ユーザーの購買行動や閲覧環境も多様化している昨今。Web広告戦略も、かつてのように特定媒体の広告枠を買い付けて手動で出稿管理を行うようなやり方では間に合わず、ユーザー一人ひとりのニーズを的確に捉えた柔軟かつスピーディーな広告配信が必要になっています。
Web広告の費用対効果を高めるために幅広く活用されているアドテクノロジーの一つに「DSP」があります。中でも注目されているのが、日本企業が開発したDSP「Logicad(ロジカド)」です。大規模なオーディエンスデータを高速・安定的に処理できるシステムインフラと独自のAIを駆使して、広告配信の最適化を強力に支援するサービスとして、非常に多くの広告主に利用されています。今回はDSPの基礎知識にも触れながら、Logicadの特徴や他のDSPとの違いなどをご説明します。
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目次
DSPとは?
Logicadについてご説明する前に、まずは改めて「DSP」とは何かについて簡単に触れておきます。Webマーケティング界隈では盛んに聞かれる言葉ですが、この機会にきちんと意味を把握しておきましょう。
DSPという言葉は「Demand-Side Platform」の略称です。直訳すると「要求側のプラットフォーム」となりますが、ここでいう要求側とは、広告の発注者(Web広告の配信を要求している人)という意味ですので、「広告主側のプラットフォーム」転じて「(広告主が)広告の費用対効果を高めるためのプラットフォーム」を指します。
具体的には、広告主が設定したターゲットユーザーや費用、入稿内容などにしたがって、広告枠の買い付け(入札)・配信、ターゲティングなどを一括管理し、より低コストで最大の成果が出るように広告配信を最適化してくれするサービスです。リスティング広告などと違い、自ら商品やサービスを検索している顕在層だけでなく、潜在層へもアプローチできます。
DSPが、広告枠単位で配信する通常のWeb広告と違うのは、広告内容に興味関心を持っている「人」単位での配信を行える点です。Web閲覧履歴などの情報をもとに、複数の商品・サービスの中からターゲットユーザーに最適化された広告を配信できます。
DSPの導入によって、広告主は広告を配信するターゲットの属性や特徴をより主導的に選択・決定できるようになるのです。
DSPの大まかな仕組み
DSPによる広告配信の最適化はどのように行われているのでしょうか?
これをご説明するには、「SSP(Supply-Side Platform)」についても触れる必要があります。SSPとはDSPの対義語にあたるもので、「Supply-Side(供給側)」とは広告を受注する媒体(メディア)を指します。つまりSSPとは、広告媒体がより効率的に、より高額で広告枠を提供できるためのプラットフォームという意味です。
そしてDSPとSSPは対の関係にあり、それぞれが相互に機能することでより高い費用対効果が生まれます。
広告枠のあるサイトにユーザーが訪問してから、広告が表示されるまでの流れは次の通りです。
- ターゲットユーザーが広告枠のあるWebサイトを訪問する。
- 広告媒体からSSPにインプレッション発生情報が送信される。
- SSPは接続先のDSPに広告入札をリクエストする。
- DSPはリクエストを受信し、ユーザー情報をもとに入札価格を決定する。
- SSPは最も高い金額で入札したDSPの情報を広告媒体に送信する。
- 広告媒体からDSPに広告配信をリクエストする。
- DSPはWebサイトに広告を配信する。
ユーザーがWebサイトにアクセスするたびに、SSPとDSPの間で広告配信のオークションが瞬時に行われるわけです。こうした仕組みをRTB(リアルタイムビディング)といい、これによって「広告費を抑えて最適なターゲットに広告配信したい」広告主と、「より高い料金で広告を出してほしい」広告媒体のニーズが合致した、ターゲットユーザーへの広告配信が可能となります。
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Logicadとはどんなサービスか
DSPの概要をお分かりいただいたところで、本題のLogicad(ロジカド)についてご説明してきます。
Logicadは、ソニーグループの一社でアドテク・マーケティング事業を手掛けるソネット・メディア・ネットワークス株式会社(以下SMN社)が開発・展開する国産DSPです。OSやブラウザをはじめ多くのITツールが海外企業発である中、日本発のサービスというはそれだけでも応援したくなりますよね。
Logicadは、大規模な配信ログ、オーディエンスデータを高速かつ安定的に処理することが可能なシステムインフラを備え、独自のアルゴリズムを用い、RTBも対応した自社開発の広告配信最適化プラットフォームです。
(Logicad公式サイトより)
国内における代表的なDSPの一つであるLogicadは、多種多様な業種で豊富な広告配信実績を持ち、広告主・広告代理店の皆様から高い評価を受けています。SMN社によると利用者の継続率は90%(2018年度実績)。競争の激しいWeb広告市場においては出色といえるでしょう。
なお利用料金はCPM課金(広告の表示回数に応じて料金が発生)となっており、システム利用にかかる初期費用やランニングコストはかかりません。
Logicadの特徴
上述の通り、広告主から多大な信頼を得ているLogicadですが、その理由はどこにあるのでしょうか。様々なDSPがある中で、Logicadが特に優れているとされる特徴をご紹介します。
処理速度が速い
ソニーの優れたテクノロジーから生まれた高品質のシステムにより、応札率0.003秒という圧倒的な処理スピードを実現。毎秒最大12万回の案件処理が可能で、その入札参加率は世界最高水準といわれています。
オークション形式のRTBでは、広告リクエストに対してまず入札できないことには始まりません。Logicadなら入札の機会ロスを最小限に削減し、ターゲットユーザーを逃すことなくアプローチが可能です。
独自開発のAIによる高精度のターゲティング
LogicadはSMN社が独自開発した人工知能「VALIS-Engine」を搭載しています。数テラバイト/月に上るLogicadの膨大なログ情報を解析し、独自の機械学習アルゴリズムをベースに局面ごとの価値判断を高精度かつ低レイテンシー(通信遅延)で行えるのが特徴です。
このデータ処理技術をもとに、性別・年齢・興味関心・年収・家族構成など様々な要素から精度の高いオーディエンスターゲティングを実現。4億人以上といわれるユーザーごとに最適な入札額を推定し、広告効果を最大化します。
国内最大級の広告在庫数
入札先となる広告枠在庫が多いのもLogicadの強みです。Logicadは「Googleアドネットワーク」「Yahoo!アドエクスチェンジ」をはじめ様々なSSPと連携しており、国内最大級の広告在庫数を誇ります。各社のプライベートマーケットプレイス(広告媒体と広告主を限定した広告取引市場)にも対応しており、プレミアムな広告枠への買付が可能です。
配信先や広告成果の可視化
Logicadは広範囲にわたる広告ネットワークを保有している一方、広告配信されたドメインは全て開示しています。またドメイン個別の配信制御も可能なので、広告戦略やブランディングにおいて望ましくない配信先があれば除外することもできます。
またレポーティング機能も搭載しており、広告配信の成果をリアルタイムで確認できるため改善施策の効率化とパフォーマンス向上につながります。
強固なセキュリティ対策
不正なインプレッションやクリックによって成約数や広告効果などを水増しするアドフラウド(不正広告)を防止するため、LogicadはMomentum社のアドフラウド対策ツール「Black Heron」を導入。安全性のある配信を行っています。
さらにIAB※が推奨する「ads.txt」制御配信機能により、なりすましドメイン等の不正広告を防止します。
※ IAB:オンライン広告における技術的標準規格の策定や動向調査などを行う業界団体
Logicadの配信メニュー
Logicadには多彩な配信メニューが用意されており、広告主は配信目的やターゲットに応じたサービスを選択することで自社のWebマーケティングを効率的に推進できます。ここでは個々の配信メニューについて概要をご説明いたします。
まずLogicadの配信メニューは大きく「オーディエンス系」と「リターゲティング系」の2つに分かれます。前者はユーザーの興味・関心に合わせて広告配信を行うもの、後者は過去にWebサイトを訪問したユーザーに対して広告配信を行うものです。
オーディエンス系の配信メニュー
オーディエンス系の広告配信は、主に広範なユーザーに対する商品・サービスへの認知度向上や潜在層へのニーズ喚起を目的とするものです。
ブロード配信
特定のターゲティングを行わない配信メニューです。
入札単価や時間帯、エリア、ドメインなどの設定によって広告キャンペーンを最適化します。また配信後に得られたデータは以後のターゲティングに活用できます。
類似ユーザー
既存のユーザーと似た特徴を持つユーザーを抽出して広告配信を行うメニューです。
独自のアルゴリズムが類似ユーザーを抽出して配信ターゲットに設定。類似度を指定することもできます。
潜在顧客ターゲティング
広告主の優良顧客になりうる潜在顧客層に対して広告配信を行うメニューです。
広告主が保有する、優良顧客のモデルとなる情報をLogocadのDMP(データマネジメントプラットフォーム)に入力。これを独自AIが解析して潜在顧客を高精度に抽出し、ターゲティング広告を配信します。
オーディエンスターゲティング
独自AIが各ユーザーのWeb上での行動履歴を解析し、特定の性別・年代・興味のカテゴリーに属するユーザーにターゲティングして広告を配信するメニューです。
また広告主の要望にあわせてユーザーセグメントをカスタマイズすることも可能です。
Logicad Video Ads
独自アルゴリズムによるターゲティングで、約339億の広告在庫(2023年1月現在)に動画広告を配信するメニューです。
インストリーム広告(動画コンテンツ内で配信される広告)やアウトストリーム広告(バナー枠やモバイルアプリ内で配信される広告)に対応しています。
テレビCMリアルタイム連動型広告
広告主のテレビCM放映をリアルタイムで検知して、地域・性別等がセグメントされた視聴者に対してWeb広告を配信するメニューです。
広告配信はCM放映後3~8分以内に行われるため、テレビCMとWeb広告の相互作用による広告パフォーマンスの向上が期待できます。
Logicad DOOH
株式会社LIVE BOARDが提供するデジタルOOH(家庭外広告)「LIVE BOARD マーケットプレイス」と連携し、OOHのRTB取引を行う配信メニューです。
NTTドコモの人口統計情報などを活用して、従来のOOHでは困難だったデモグラフィックベースのインプレッション計測を可能にしています。
VALIS拡張
独自AI「VALIS-Engine」を使用した拡張配信方法です。
CV獲得・クリック・複数クリックなど所定の条件でセグメントされた、一定数(200以上)のユニークユーザーをもとに、AIの高精度な予測技術によりユーザーを拡張しリーチを広めます。さらに確率値の高いユーザーを順位付けして広告効果の最大化を図ります。
リターゲティング系の配信メニュー
リターゲティング系の広告配信は、ニーズの明確な顕在層に対する購入や申し込みの後押し、顧客層の拡大を目的とするものです。
リターゲティング
過去に広告主のWebサイトを訪問したユーザーが、後にLogicadの配信ネットワーク内にあるサイトを訪問した際、広告主の広告を表示させる配信メニューです。
ユーザーは広告によって過去に訪れたサイトを思い出し関心が高まるため、通常の広告よりもクリック率やCV率が工場する傾向があります。
ダイナミッククリエイティブ
過去に広告主のWebサイトを訪問したユーザーに最適化された広告クリエイティブを、自動的に生成・配信するメニューです。
ユーザーの閲覧履歴と広告主の商品データをもとに、閲覧した商品と、閲覧商品と関連度の高いおすすめ商品を表示。クリエイティブのパターンも豊富です。
運用型DSPと自動型DSP
前章でご説明した通り多彩な広告配信メニューを展開しているLogicadですが、どの配信形式を用いれば良いかは配信の目的や運用状況によって様々です。
またLogicadでは、配信者が実際の広告成果やユーザー動向のデータを確認しながら、費用対効果をより高められるよう柔軟に調整や対応を行う必要があります。このように、人が手動で配信設定を調整しながら運用するタイプのDSPを「運用型」と呼びます。
一方、配信を最適化するための設定や調整を、DSP独自のアルゴリズムに基づきシステムが自動的に行うタイプのDSPを「自動型(アルゴリズム型)」といいます。
自動型DSPの代表的なものが、世界約90か国で展開している広告プラットフォーム「Criteo(クリテオ)」です。
Criteoはディスプレイ広告のダイナミックリターゲティング(Logicadのダイナミッククリエイティブに該当)機能が非常に優れており、ユーザーの興味関心や行動履歴に基づいて最も効果を期待できる広告クリエイティブを自動的に生成・配信します。
※Criteo広告について詳しくはこちらのコラムをご覧ください。
運用型DSPのメリットは、広告のパフォーマンスを確認しながら柔軟な改善施策を行える点です。そのぶん自動型よりも運用の手間はかかります。運用者には一定水準のスキルや経験も必要でしょう。
逆に自動型DSPでは、運用自体はほぼ自動なので人の手間はほとんどかからず、工数削減になります。一方でターゲットユーザーや配信先などの細かなコントロールが難しく、またシステムの調整を誤ると効果が得られない可能性もあります。
双方の性質を理解した上で、どちらが自社に適しているかをご判断ください。
Logicadの広告レポート作成はアドレポで!
Logicadの独自AIによる精度の高いターゲティングと広告配信最適化は非常に優秀なものですが、一方で前述の通り「運用型」のDSPであるため、最大限に成果を高めるためには人の手によるチューニングも重要になります。そこで欠かせないのが、運用データを整理・分析した広告レポートです。
定期的にレポーティングを行うことで、担当者は運用データを俯瞰・分析し、課題や改善点をLogicadの設定に反映できます。日々の進捗管理やクライアント・関係部署との情報共有のためにも広告レポートは必須のものです。
Logicadのレポート作成には、レポート自動化ツール「アドレポ」のご利用をおすすめします。アドレポはAPI接続によりWeb広告媒体の運用データを自動取得してレポートを自動作成できるツールです。手動での煩わしいレポート作成業務から解放される上、人為的ミスも解消されると多数の企業様・広告代理店様にご好評いただいています。導入実績は400件以上、広告アカウントは6万件以上(2023年1月現在)。
アドレポの強みの一つは、国内最大級の20社以上という接続媒体数の多さです。もちろんLogicadへの接続にも対応しており、このようにスマートなLogicad運用レポートを簡単に出力できます。
設定作業も非常に簡単です。アドレポの管理画面上で、SMN社から発行された「代理店ID」「Access key ID」「Secret access key」を登録すれば、あとはアドレポが自動的にデータ取得後、任意のレポートタイプでレポートを作成できます。
詳しくはこちらをご参照ください。
まとめ
今回は国産DSP「Logicad」の特徴やサービス内容についてご紹介しました。
DSPと聞くと何かとっつきにくそうに思われるかもしれませんが、実は私たちが無意識に見ているWeb広告の多くはDSP・SSPのコントロール下で最適化されたもの。その意味では案外身近なテクノロジーだといえます。
中でもLogicadは、ソニーグループの優れた技術力を結集した高機能DSPとして業種を問わず幅広い運用実績があり、DSPは初めてという方でも安心して利用できます。広告効果を改善し、販促やブランディングで貴社ビジネスに貢献してくれるでしょう。
また、Logicadのレポーティングにはぜひアドレポの活用をご検討ください。レポート作成業務を効率化し、余裕のできたリソースでPDCAを行い広告パフォーマンスを向上させましょう。
アドレポについてさらに詳しく知りたい方のために、資料を無料でご提供しておりますのでぜひこちらからダウンロードしてください。
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