もう使ってる?画像収集ツール・Pinterestと今注目の広告ツール「Pinterest アド」を徹底解説
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皆様は「Pinterest(ピンタレスト)」というWebサービスをご存じでしょうか?
詳しくは後述しますが、簡単に言うと「Web上のお気に入りの画像を収集できるWebツール」といったところ。世界各国に多数のユーザーがいますが日本国内ではまだ馴染みが薄く、特にビジネスでの利用においては、クリエイティブ系の界隈ならともかく営業や広告運用をメイン業務とされている方々が使う機会は少ないかもしれません。
しかし2022年6月から、Pinterestの広告サービス「Pinterest アド」が日本でも配信可能に。今後は広告代理店様にとっても要注目のサービスとなりそうです。
本記事では、Pinterestの概要やPinterest広告の特徴について詳しくご紹介します。
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目次
Pinterestとは
Pinterestは、画像コンテンツに特化したキュレーション(多数の情報を収集・整理する)タイプのソーシャルメディアです。
皆様も様々なサイトを閲覧したり検索したりする中で、ふと出会えた写真を「気に入った」「手元に置いておきたい」と思われた経験があるのではないでしょうか。
Pinterestでは、そうしたWebサイトやPinterestの中にある写真や画像を「ボード」と呼ばれるユーザー専用の画像リストにブックマークしておけます。
この画像や動画をブックマークする行為を「ピン(pin)する」といい、ブックマークした画像や動画を「ピン」と呼びます。ピンした画像は好きな時に閲覧でき、他のユーザー間でボードの共有も可能です。
通常ブックマークというとWebページ単位で行うものですが、Pinterestでは画像単位で行えるのがポイントといえるでしょう。
2010年3月にアメリカでサービスが開始し、2013年11月に日本版をリリース。ユーザー数は日本国内では870万人(2020年時点)と他のメジャーなSNSに比べるとやや少数ですが、全世界では4億7500万人以上(同)となっています。また日本国内では2021年にテレビCMが放映されるなど、着々と知名度を上げています。
またPinterestは女性ユーザーの比率が高く、直近のデータでは女性が57%・男性が43%。また世代別ではいわゆる「ミレニアル世代」「Z世代」で半数以上を占め、若年層の利用者が多いのが特徴です。
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Pinterestでできること
Pinterestについて公式サイトでは、「レシピやインテリア、ファッションなど生活をもっと楽しくしてくれるアイデアを発見・整理するツール」と説明されています。
日常の様々なシーンをより良いものにするアイデアやヒントは、インターネットの中に無数に存在しています。Pinterestは、そうしたアイデアの種となる画像や動画を、ユーザーがより素早く簡単に見つけられるためのツールという位置づけです。
こうした目的を前提とした、Pinterestでできることは次の3つです。
欲しい画像が次々と見つかる
Pinterestのホームフィード(アプリを開いて最初に出てくる画面)には、ユーザーの過去の閲覧履歴やピンした画像をもとに、AIがそのユーザーの興味や関心に合った画像を表示してくれます。
特定のテーマやカテゴリについて自分が気になる画像をピンすればするほど、そのテーマや関心に沿った画像が次々と表示され、AIの精度も上がるため、さらに新しいアイデアやインスピレーションを引き出してくれるでしょう。
またピンをタップすると、その下に「似ているピン」としてタップしたピンに類似した画像が表示されます。気に入った画像と似たものが欲しい時には芋づる式に画像を探せるので特に便利です。
もちろんこうしたレコメンド機能だけでなく、普通のWeb検索と同様に「リビング インテリア」「夏 着こなし」のようなキーワードによる画像検索や、ある画像の一部分だけをトリミングして検索できる「ズームイン検索」など、様々な方法で欲しい画像を探すことができます。
ピンした画像をボードに整理できる
Pinterestにピンした画像は、自分のボード上で自由に分類することができます。パソコン上のファイルをフォルダ分けするように、カテゴリや内容別にコンテンツを整理して、アイデア帳のように活用できるので後で見返す時に便利です。また、ボードの中のピンをより細かく分類する「サブボード」もあります。
なおボードは公開・非公開を設定できますので、自分が利用するためだけで人に見られたくない・見せる必要がないボードは「非公開」に、自分の画像リストを人に見せたい・共有したい場合は「公開」にします。
ユーザー間のコミュニケーションを行える
他のSNSと同様に、Pinterestでもユーザー間のコミュニケーションが可能です。
フォローについては、Pinterestでは「アカウントのフォロー」と「ボードのフォロー」の2種類を行えます。気になるクリエイターのアカウントや関心の高いカテゴリのボードをフォローしておくと、それらのピン画像が自分のホームフィードに流れるようになり、更新された画像や動画を見つけやすくなります。自分と趣味嗜好が近いと思われるユーザーはフォローしておくと良いでしょう。
また、Pinterestで他のユーザーがすでにブックマークした画像にピンすることを「リピン」といいます。これはtwitterの「リツイート」に近いアクションですが、「あなたのお気に入りを、私も気に入った」という意思表示にもなり、自分のボードにある画像をピンした人とコミュニケーションを取ることも可能です。
PinterestとInstagramとの違い
Pinterestは画像を集めたり共有したりできるサービスですが、同様に画像が主要コンテンツのソーシャルメディアといえば、まず思い浮かぶのはInstagram(インスタグラム)ではないでしょうか。
PinterestとInstagramでは、主に次のような違いがあります。
ツールの用途
Instagramの基本的な用途は、ユーザーが自分の画像をより多くの人に見てもらうための「情報発信」にあります。
一方Pinterestの用途は、ユーザー自身が見たい・残したい画像を手元に残しておく「情報収集」です。
画像や動画を投稿するという点ではPinterest・Instagramとも同じですが、それぞれの利用目的の違いを理解した上で使い分けましょう。
画像の投稿方法
Instagramでは、基本的にユーザー自身が撮影・作成した画像を投稿し、それがホーム画面に表示されます。
これに対してPinterestは、ユーザーが自分で投稿(ピン)を作成することもできますが、メインはWeb上で見つけた画像からピンを作成します。編集やアップロードの手間がないので、お気に入りの画像を見つけては次々と自分のボードにブックマークできます。
投稿へのリンク設置
Instagramでは、自分の投稿に対して他のサイト等へのリンクを設置できません。投稿本文にURLを入力しても通常のテキストと認識されます。
一方、Pinterestでは投稿(ピン)に外部リンクを設定できるため、ピンを介して他のサイトやサービスへの流入を促すことができます。
その意味では、Pinterestの方がビジネスでの活用に適しているといえるでしょう。
Pinterestの利用シーン
膨大な投稿の中から自分の興味関心にマッチした画像を次々と閲覧できるPinterest。その特徴をどう生かすかは人それぞれですが、よく見られる利用方法としては次のようなものがあります。
- 好きなジャンルや食材の料理写真を集めて、レシピや盛り付けを考える参考にする
- 引越しや模様替えをする時に、おしゃれな家具やインテリアの写真で理想の部屋のイメージを描く
- 季節やシーンに合ったファッション・着こなしを決める
- 大切な人への贈り物にふさわしいラッピングの事例を調べる
- 旅行先の観光スポットや宿泊施設の写真を収集して旅のプランを練る
- 結婚式で使う招待状やブーケ、ヘアアレンジなどのアイデアを探す
まさに上述の「生活をもっと楽しくしてくれるアイデアを発見・整理するツール」にふさわしい使い方をしている方が多いようですね。
また仕事の現場では、クリエイティブに携わる方々は重宝されると思います。世界中のクリエイターによって作られた多種多様なデザインやイラスト、バナーなどが無数に投稿されているPinterestは、大いに制作の参考になりますし、眺めているだけでも創造意欲をかきたてられること請け合いです。
デジタルマーケティングへの活用も
Pinterestのビジネスシーンでの利用という点について、もう少し掘り下げます。
現在日本では、Pinterestの存在はまださほど目立ったものではありませんが、実は海外では、多くのブランド・企業がデジタルマーケティングにPinterestが活用されているのです。
先ほども触れましたが、Pinterestの利用目的の多くは「情報収集」にあります。
「美味しいパスタを食べたい」「似合う服を着たい」「旅行に行きたい」…Pinterestユーザーは、こうした様々な欲求を満たすのに役立つ情報を求めている状態であり、それに関連した商品やサービスの購買意欲が高まっている状態です。マーケティングを行うには格好のターゲットといえるでしょう。
また、先にキーワードでの画像検索について触れましたが、Pinterestによると上位検索の97%が、ブランド指定のない複合キーワード(「リビング インテリア」など)だというデータがあります。
これは何を意味しているかというと、Pinterestユーザーの多くは、特定の商品やブランドを「決め打ち」で探しているのではなく、漠然と「関心がある」「将来欲しい・買いたい」商品やサービスを調べている傾向が強いということです。
商品購入やサービス利用の、まだ検討段階にあるユーザーにアプローチできる可能性が高く、ネームバリューの小さい中小企業のマーケティングにも向いているといえます。
Pinterestをマーケティングツールという視点で見ると、新たな可能性や活用方法が見出せるのではないでしょうか。
ピンタレスト広告について
Pinterestをデジタルマーケティングに活用する手法として、今非常に注目されているのが「Pinterestアド」というPinterestの運用型広告です。「ピンタレスト広告」とも呼ばれます。
ピンタレスト広告はこれまで海外でのみで提供されていましたが、2022年6月1日から日本でも提供が開始されて以来、広告出稿企業が増加しています。
※ここからは分かりやすいよう表記を「ピンタレスト広告」で統一します。
ピンタレスト広告の特徴の1つに「広告感の少なさ」があります。
ピンタレスト広告は、通常の投稿と同様に画像中心のフォーマットで表示されます。他の投稿になじみやすく、ユーザーにとって広告を見せられているという違和感が少ないのが利点です。
また上述の通りPinterestユーザーは何かしらのアイデア・発見を求めてツールを使っているため、それがたとえ広告であっても、自分にとって新たな発見が得られるものであれば受け入れられやすい傾向があるようです。
ピンタレスト広告は様々な業種・業界で利用されていますが、中でも適性の高い業種としては、「美容」「アパレル」「飲食」といったものがあげられます。
いずれもPinterest内でよく検索されている人気のジャンルであること、メインユーザーである若い女性層の興味関心が高いテーマであること、ビジュアルでの訴求が不可欠なため画像コンテンツ中心のPinterestと相性が良いことなどが理由です。
ピンタレスト広告の種類
他の広告媒体と同様、ピンタレスト広告には様々なフォーマットが用意されています。目的やターゲットに応じて適した広告を使い分けましょう。(キャンペーンの目的によっては利用できないフォーマットがあります)
現在利用できる主なフォーマットは以下の通りです。
- 画像
1枚の画像で構成される広告で、デフォルトの広告フォーマットです。 - カルーセル
複数(2~5枚)の画像で構成される広告です。画像をスワイプすると切り替えられます。 - 動画
動画を表示する広告です。通常のピンと同サイズの「スタンダード」と、通常のピンの2列分に表示される「ワイド」があります。 - コレクション
1枚のメイン画像と3枚の小さなサブ画像で構成される広告です。広告をタップするとさらに最大24枚のサブ画像を表示できます。 - ショッピングアド
別途作成するデータフィード(商品カタログ)をもとにユーザーの興味関心のある商品画像を表示する広告です。
ピンタレスト広告のターゲティング
ユーザーの属性や行動履歴などをもとに、自社の商品やサービスを好まれそうな層に絞って広告配信を行う「ターゲティング」。Web運用型広告では欠かせない機能です。
ピンタレスト広告も様々なターゲティング機能を備えています。
- オーディエンスリスト
Pinterestユーザーの「特定のサイトを訪問」「ピンクリックや保存・コメントなどのエンゲージメントを実行」といった行動履歴や、「広告主が保有するメールアドレス」などの顧客情報をもとにターゲティングを行います。
既存のオーディエンスに類似した新規ユーザーにリーチする「アクトアライク」もあります。 - インタレストとキーワード
特定のトピックに関心のあるユーザーや特定のキーワード・フレーズを検索したユーザーに対してターゲティングを行います。 - 属性
特定の属性を指定し、該当するユーザーに対してターゲティングを行います。
設定可能な属性には、性別・年齢・場所・言語・デバイスがあります。 - プレースメント
Pinterestで広告を表示させる場所(プレースメント)を指定します。
設定可能な場所は、ホーム(ホームフィードや関連ピン)・検索(検索結果や関連ピン)・すべて(ホームと検索の両方)があります。
まとめ
今回はPinterest(ピンタレスト)について解説してきました。Pinterestは画像コンテンツからの情報収集やアイデア発掘に適した、非常に便利なツールです。「名前は聞いたことあるけど、内容はよく知らなかった」という方は本稿を参考にしていただき、関心を持たれた方は実際に使ってみてはいかがでしょうか。
また後半でご説明したピンタレスト広告は、他の広告媒体にない様々な特徴があり、後発ながら各業界から非常に注目を集めています。今後のWebマーケティングに取り入れていく企業や広告代理店が増えていくのは間違いないでしょう。
ピンタレスト広告はCSV形式でのデータ出力に対応しており、当社の広告レポート自動作成ツール「アドレポ」でのレポート作成も可能です。あわせてのご利用をぜひご検討ください。
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